第15回 課題研究発表会~前半~ に引き続き, 課題研究発表会の様子を報告します.

 

⑦ 化学班「牛乳からプラスチックはつくれるのか!?」 この班は発表題のとおり, 牛乳から生分解性プラスチックをつくる研究をした. 図2_R

私たちの普段の生活において, プラスチックはなくてはならない製品です.

しかし, 廃棄が容易でなく, ゴミが溜まる, という問題がある.

そのひとつの解消として, プラスチックを微生物が分解することで, 自然に還す方法がある.

今回の研究では, 昨年の食品中のソルビン酸の研究を生分解性プラスチックに応用し, その性質と防腐効果, 生分解性を検証した.

図1_R

 

⑧ 化学班「湧水調査 テイスト×テスト Returns」 昨年の入善町の湧水の研究をより詳細に研究した. 図3_R

昨年の研究ではパックテストを用いて, 湧水の成分調査を行った.

しかし, パックテストは成分を おおまかにしか調べることができず, 詳細までは研究できなかったため, 今年はキレート滴定法や重量分析法などの方法で各イオンを測定した.

図4_R

橋本将氏のおいしい水指標 O Index により, 入善町の水を客観的に評価した結果でも, 入善町の水は「おいしい水」と結論づけることができた.

 

化学班は2つとも昨年の研究を引き継ぎ, より発展した研究を行った. 昨年の研究結果はこちらにあります. よろしければご覧ください.

次は最後の生物班の発表です.

 

 

⑨ 生物班「僕らのメダカ探し日記 2014」

図9_R

入善町におけるメダカの生息状況を調べた.

メダカは淡水魚である. これが意味することは単なる魚の分類ではない.

淡水魚であるということは, 生息している環境が変化し, 生息しづらい環境になったとしても, 海に逃げることができない.

淡水魚たちは「そこの川」でしか生きられないのである.

かつてはどこにでもいたメダカであるが,近年

各地でメダカの絶滅が危惧されており,この入善町もまたその各地の1つではないかと考えられている.

 

今回, 入善町の中でかつて目撃されていた 杉沢の沢スギ周辺, 古黒部・横山, 墓の木自然公園キャンプ場などにて調査した.

聞き取り調査によると, 数十年前には確実に生息していたことが窺えた。しかし 今回の調査では残念ながら, メダカを発見することはできなかった.

メダカは流れの緩やかな小川に生息している.

昭和38年から始まった大規模な圃場整備により用水路や側溝の整備が進み、流れの緩やかな小川を見つけることができなかった.

メダカの生息できる環境が大きく変化してしまったことが原因の1つになったのであろうと窺えた.

今回の調査だけでは入善町のメダカが絶滅してしまったという断定はできない。継続した調査が必要である.

 

⑩ 生物班「Let’s play labyrinth」

動物の「学習行動」について研究した.試験勉強を如何にして取り組めばよいのか, という彼女たちの至上命題から研究が始まった.

図6_R

ハツカネズミに迷路実験を行い, 「学習」について, 毎日迷路を走るネズミ と 2日毎に走るネズミ の2個体を用意し, 比較実験を行った.

結果は, 予想通り毎日学習をした個体であり, 日々の努力が大事であることを確証したようである.

図7_R

自分の進路に向けて, 実直に努力を積み重ねていってほしいです.

 

⑪ 生物班「Silent world 2」

昨年の「Silent world」では生物の「骨格」を観察するために透明標本をつくりましたが,

図10_R

今年は生物の「血管標本」をつくり, 観察をしました.

ウシやブタの腎臓などを扱うため, 彼女たちは臭いと戦いながら, 研究をすすめていきました.

私たち人間にもある血管ですが, どのような形なのかということを知らない人も多くいると思います.

図11_R

彼女たちの研究は, “身近であるが故に, 気にも留めないことにスポットをあてて知る”, という学問として大切なことを教えてくれるものであったと思います.

 

⑫ 生物班「桜の花を咲かさばや」

最後の発表は, 地元入善町の宝「入善乙女キクザクラ」を増やすというビックプロジェクトに向けての発表です.

図12_R

生徒にとって苦労も多くあったが, 世界に一本しかない入善乙女キクザクラを守るというやりがいもある研究である.

今年の研究では, ソメイヨシノで茎頂培養を行った.

しかし, 茎頂の摘出や培地の作成など容易にできることではなく, なかなか成果を上げることはできなかった.

図13_R

今後は, 確実性が増す実験法を考案していく必要がある.

是非, 後輩たちにも引き継いでもらいたい研究である.

 

第15回 課題研究発表会~前半~ の冒頭にも述べましたが, 研究期間が延びたことにより, どの研究もより専門的な研究になってきました.

しかし, 生徒たちは, 知的好奇心の下あきらめずに何度も挑戦していきました.

特に, 普段の授業ではなかなか活躍できない生徒が班の先頭に立って, 研究を引っ張っていく姿をみて, 本当に大切なことは誰も教えることができず, 生徒たちが自ら考えて行動し, 体得していくものなのだと改めて感じました.

3年生たちの自然科学コースの活動は, この課題研究で終わりました. コースの活動を通して, 彼らは大きく成長したように感じました.

これからの人生において, ここで経験したことを糧にして, 頑張っていってもらいたいと思います.

P1000351_R