「地熱で地域を救う、地球を救う」

大高建設(株)さんの呼びかけに賛同した泊高校観光ビジネスコースと、入善高校自然科学コースは、それぞれの研究活動を通して宇奈月温泉の現状や、地熱、再生可能エネルギーについての理解と交流()を深めてきました。

そしていよいよ、ということで自然科学コース有志21名が征く、2泊3日の視察レポートです。

AM7:20、集合。バスで福島県、土湯温泉へ。

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ちなみに、バスの中では、NHKスペシャル「シリーズエネルギーの奔流」を鑑賞。
国益の為に競って地下資源開発をすすめ、化石燃料を奪い合う世界、人類の現状を学びました。

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…ただ、ちょっと難しかったかな…ということで、ジブリ映画「もののけ姫」を鑑賞。
17歳、年齢でいうと高校2年生にあたるアシタカが、大人達に対して「森 と たたら場.双方生きる道はないのか」と問うシーンが印象的でした。
AM12:00 会津着。後ろに見えるのは磐梯山です。
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世界のガラス館猪苗代で会津名物に舌鼓。地ビールがおいしいところですが、もちろん高校生(含スタッフ)はウーロン茶です。

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さらにバスは進み、福島県、土湯温泉 旅館「向瀧(むかいだき)」に到着。

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今回視察に訪れた土湯温泉は、磐梯朝日国立公園内にあり、自然豊かな歴史ある温泉です。
しかし、震災と、それに伴う風評被害の影響で16軒あった旅館のうち5軒が廃業するという厳しい状況に。

温泉街の衰退を食い止めるべく地域の人々が集まって「土湯温泉町復興再生協議会」が発足。豊富にある温泉熱と河川水を利用した再生可能エネルギーで地域活性化を目指すことになりました。

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「(株)元気アップつちゆ」代表取締役 加藤勝一 さんからは、ここに至る経緯と未来へのビジョンをお話しいただきました。

加藤さんからは、地域活性化をなんとしても成し遂げたいとする意欲と、小水力発電、バイナリー型地熱発電施設建設の目処が立った達成感が滲んでいました。
なお、そうした発電設備は技術や建設資金よりも水質汚濁防止法や国立公園法などの法律や水利権など「様々な規制をクリアして着工にいたる」ところが凄まじく大変なのだそうです。そのため、まだ未完成ながら先進事例として全国からすでに2000人余りの方々が視察に訪れているそうです。

意見交換の後は、小水力、地熱発電それぞれの建設予定地の視察へ。
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案内をしてくださった千葉さんは東京の大手企業にお勤めでしたが、震災時の被災地と東京の意識の乖離に強い問題意識を持ち、被災地復興に携わりたいという強い意欲で東京を離れ、元気アップつちゆのメンバーに加わられたそうです。

土湯温泉を流れる川にはあちこちに砂防堰堤があります。

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土湯温泉に計画されている小水力発電所は出力137kW。砂防堰堤を利用して作られるため、前例がなくその分苦労も多かったのだそうです。

建設予定地を視察。発電設備とあわせて遊歩道が作られ、観光資源として活用されるそうです。

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小水力発電施設の完成は来年、ということで是非BeforeとAfterの両方を見に来て下さい!とのことでした。

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また再び小水力発電施設を訪れることを誓い、バイナリ地熱発電設備建設予定地の視察へ。
土湯温泉には17カ所の源泉があり、そのうち現在は4カ所が稼働しています。源泉温度は130℃と極めて高温であり、バイナリ発電に向いている条件が整っているそうです。

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川に沿って源泉が点在しています。バイナリ型地熱発電は、写真の16号源泉に建設が計画されており、出力は400kWが見込まれています。
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なお、発電には毎時33.8トンの温泉水(130℃)と、毎時264トンの冷却水(河川水、10℃)が使われます。温泉水側の泉質や温度、量が発電後に変化しないことが、地域の理解を得る決め手となったそうです。
一方で冷却水は発電設備を通すことで10℃→21℃に上昇します。将来的には、それを利用した養殖も計画されているそうです。

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メディアの取材にも、堂々たる受け答え。発電設備の稼働は平成27年7月の予定。ということで、こちらもそれ以降に是非もう一度見に来ましょう。

18:30 向瀧にて、お食事タイム。

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そして、夜はグループに分かれて1日目の研修内容を振り返りました。

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震災のあと、被災者の避難所となった土湯温泉。避難が一段落し、一旦の落ち着きを取り戻したとき、かつての賑わいは見る影もなく静まり返り、火の消えたような風景があったといいます。
復興のために力を合わせようと集まった人たち。そして、その復興の切り札として白羽の矢が立ったのが、再生可能エネルギーであった、と。

土湯温泉ではピンチをチャンスに変えようとする志と、その旗印のもとに集う人と人とのつながりによって新たな町作りが進んでいる様子の一端を垣間見ることができたように感じます。

いつか、宇奈月温泉でバイナリ地熱発電設備が稼働し、観光資源として賑わいを生む日が来るのでしょうか。

いつか、地球環境に対する危機感と、そこから描かれた「夢」によって、人と人とがつながろうとする日が来るのでしょうか。

2日目に続きます。