福島視察の2日目は高校生にとってのメインイベント、福島県立安達高校との交流・意見交換会です。P1000550_R福島県二本松市にある安達高校は持続可能な発展のための教育を取り入れながら、復興教育に取り組んでいる学校です。ユネスコスクールに加盟し、再生可能エネルギー研究指定校となるなど、先進的な取り組みをすすめておられます。そんな学校で、研究活動の発表と交流を行うということで…すこし緊張しながら、安達高校に向かいます。

校門から入ると、まず見えてきたのは…
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さすが環境教育を推進している安達高校、前庭に太陽光発電設備が…では、ありません。放射線の線量を測定するモニタリングポストです。

0.20マイクロシーベルト毎時前後の表示でした。あまりピンと来ないかもしれませんが、入善高校の物理室で0.09マイクロシーベルト毎時程度であることから、「他所と比較するとほんの少し高いが、全く安全」なレベルです。
後にお話を伺ったところ、数マイクロシーベルト毎時あったところから、職員で除染を行ったとのことでした。

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歓迎の看板を出して頂き、皆様にお出迎えをして頂きました。本当にありがとうございました。
交流会は入善高校・泊高校・視察団の大人グループ・安達高校(特に、自然科学部のみなさん)から1,2名ずつがグループを作って行われました。

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アイスブレークのあと、いよいよ各校の活動報告会がスタート。トップバッターは入善高校化学班。
県内外7カ所から採取した温泉水に含まれるSi02の濃度を調べることで、地下の温度を推定した実験。先の泊高校との交流会では地下の温度が推定15℃(低すぎ!)でしたが、その後富山大学理学部の上田 晃教授のご指導の下再実験を行い、黒薙温泉と糸魚川温泉の温泉水から推定される地下温度が約150℃であることを報告しました。

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続いて、入善高校物理班。先の泊高校との交流会では、回らないタービン型発電模型と、LEDが点灯しない発電装置「ペルチェ丸1号」の報告をしましたが…。

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そこから改良を加えて、圧力鍋を使って発生させた蒸気でタービンを回す地熱発電モデル装置「ナベ丸1号」と、温度差発電でLEDを点灯させる装置「ペルチェ丸3号」を完成させ、発表しました。

(これらについては、後日詳細を報告したいと思います。)

それに対して、安達高校自然科学部の皆さんからは、学校周辺の線量調査と、温度差発電機についての探究、震災を受けて考えていること—-の3つのテーマについて発表がありました。
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伝えたいことがまっすぐ伝わってくる。思わず、聞き入ってしまうプレゼンテーションでした。

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P1000586_R「安全を確認しながら福島に住んでいる」という言葉、そして「ピンチの中に、チャンスがある」という言葉が特に印象的でした。

その後、自然科学部顧問の對馬先生から安達高校の取り組みについての紹介がありました。
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震災によって「すべてを失った」福島県において、持続可能な社会を考える教育を行うことの大切さと意義。
また、多数の国に囲まれ、汚染が深刻化していたバルト海において、高校生発のメッセージと、各国の高校生のネットワークによってその浄化運動が広がっていった事例が紹介されました。
「高校生だからこそできること、言えることがある。」

後半戦は、それぞれの発表を聞いて、考えたことをグループでディスカッションしていきます。福島と富山、高校生と、大人。異なる立場、視点からの意見が交わされました。
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昼食後、自然科学部の方々と、実験交流をしました。ペルチェ丸とナベ丸の実演をさせて頂いたところ、安達高校で作成されたヒートパイプを使った温度差発電を実演して頂きました。P1000605_R
ペルチェ素子2枚でLEDが点灯することに、驚く生徒たち。P1000606_R

とくに、ヒートパイプについては、對馬先生からも丁寧な解説を頂きました。思わず聞き入る物理班のメンバー達。
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予定時間をかなり超過しつつ、大変密度の濃い交流をさせて頂きました。
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あっという間の半日でした。普段は同じ学校、同じ県の高校生としか接する機会がない中で、県外、特に福島県の高校生とふれあう時間の中には、たくさんの新鮮な発見と、心動く経験があったのではないでしょうか。

これで終わりではなく、これをきっかけに、これをスタートにしていきたい。そんな風に思える交流会でした。安達高校の皆様、本当にありがとうございました。