北陸電力教育振興財団 様 の支援を頂き、昨年実施した元氣創生塾

富山市ファミリーパークの山本茂行園長をお迎えし、大きな反響がありました。

 

是非今年も…とお願いしたところ、幸いにも了解を頂き…
10月27日、第2回 元氣創生塾 が開催されました。講師は、
昨年に引き続き、山本園長にお越し頂きました。
「風雲児」の説明から前説をする末上先生。

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それに聞き入る動物園界の「風雲児」 山本園長

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内容は昨年よりさらにパワーアップし、この一年間で進んだ取り組みや、それについての考え方などを紹介していただきました。
冒頭、園長曰く「この写真には、私がやりたいと思っていること、大切にしたいことが描かれている。」

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「動物園」とはあまり関係なさそうな、山の中で遊ぶ子供達と、ウマやタヌキといった身近な動物たちの絵。

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そしてテーマは、「森を元気に、人を元気に、いのちを元気に、地域を元気に」
これもまた、動物園とは少しイメージの異なるフレーズ。

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一同、気づけば少しずつその世界に引き込まれていきました。

まず、問題提起されたのは高齢化が進む動物たちのこと。
「ヒトと同じ。日本の飼育技術は世界一。だから高齢化が進む。このままでは、日本の動物園から動物がいなくなる」

群れをなす動物であっても雄一頭、雌一頭で飼育される「擬人化された飼われ方」が繁殖の障害となってきました。市の財産である動物を他所に貸し出すことの難しさもあり、「獲ってきて、展示する。」では無くなった現代の動物園の世界的な流れに乗り遅れ、結果的に少子高齢化が進んでいます。先日も、動物園からラッコやコアラなどが消える…という報道がありましたが、山本園長は早くから問題意識を持ち、動物園・水族館協会の会長としても行動をされてきました。

そして、単に「珍しい動物をみせる」だけでは無い。山本園長が考える、動物園・水族館がこれから果たすべき役割を傘に例えた図。調査研究、普及啓発人作り…等その一つ一つについて、分かりやすく解説をして頂きました。
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ただ、そもそも動物園は「市民の為の健全なる憩いの施設」。それぞれの使命を成し遂げる根拠をどこに求めるか、どのようなネットワークで実現していくのか…
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その為には、動物を飼育し、見せるに終始しない活動が必要であり…

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今年開園30周年を迎えるファミリーパークは、確実に進化してきました。
曰く、「従来の西欧型の都市の動物園を富山に作っても仕方ないと思っていた」
開園当時の出発点は、「日本で初めての、日本の動物を展示する動物園」
根底にあったのは、「ふるさとに生まれた人が、ふるさとの自然を知らずに育つ。知らないから、それを無視した行動や事業等をする」という危機意識です。
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この10年間のテーマは里山の保全。
平成16年のクマ大量出没の際に、クマの糞が近くに落ちているにもかかわらず、(また、クマならば一足飛びに越えてしまう川を指し、)「この川をクマは越えない」と語る住民に接し、里山のこと、クマのことを伝え切れていなかったと痛感したことがそのきっかけであったといいます。
30年の歩みのその節目節目に山本園長の問題意識と、その解決の為の具体的な行動があったことを教えて頂きました。

また、ファミリーパークは最近のリニューアルによってその1/3が無料のゾーンになりました。

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このゾーンは、里山への玄関口の役割を果たしています。
その里山には、ほんの近くに生活していながら、感じる事の出来ない多くの動物がいる。植物が生きている。ファミリーパークという動物園が、そうした生き物と人とを繋ぐ…という訳ですね。

曰く「大地震が起こって家に帰れなくなったら、人は生きていけるだろうか。他の動物は生きられる。ヒトは(役割を)ケータイに振り分けて、生きる力が無くなった。」

冒頭の子供達が遊ぶ写真が「なるほど。」と思えてきました。

なお、里山内の木道は…

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地域の方々によって作られたものだそうです。動物園の職員だけでは手が回らないし、それでは意味が無い。
曰く「場所の保全だけで無く、それを大事だと思う人の育成が大切」
こうした活動をするネットワークをつくる役割を、動物園が果たしている。

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他にも、ホタルが飛ぶ水路やホクリクサンショウオの生息域の確保などの活動を、地域の方と共にされているそうです。
「里山の自然」に対しては、何もしないことがその保護では無く、人の手が加わることで守られる生物多様性もある、と教えていただきました。

また、講演の最後には、
近年力を入れておられるスバールバルライチョウの繁殖、研究についての紹介がありました。この活動は、将来のニホンライチョウの保護を見据えておられるといいます。
かつて「神の使者」と呼ばれたライチョウ。それに対して動物園の評価は低く、「動物園ごときがライチョウを…」といわれた事もあったといいます。
しかし、今や批判は無いでしょう。これも、動物園の役割を根本から問い、活動を続けてこられた成果と言えると思います。

曰く、「トキは絶滅した。」「人も自然も、同じ空気を吸い、同じ水を飲んでいる」
(…トキの住めない世界で、私たちは生きていくのか??)

幾多の考えさせられる問いかけとともに、山本園長ならではの視点で

 

ふるいけや(人為)

蛙飛び込む(自然)

みずのおと(それを統合し、聴く私自身、さらにその統合)

 

その一体感の大切さを説かれた講演会でした。

(装いも含めて、)「かっこいい大人」の姿を見せて頂いた山本園長、どうもありがとうございました。