さて、恒例行事となった2月の特別講座。スペシャルな先生をお招きして授業をして頂きます。

今年の講師の先生は…

昨年に引き続き、サイエンスプロデューサー戸田一郎先生です。
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「頭を上げて!胸を張って!」の勢いのある号令で、講義がスタート。

今回は、

○放射線量を測定する

○霧箱を用いて観察する

○放射線を理解し、活用する強さを持つ   ことをテーマに授業が進みました。

まずは、はかるくんを用いて空間線量を測定します。
「今居る場所が、安全かどうかを判断する力」を養うことは、理科を学ぶ目的のひとつです。
(ちなみに、このはかるくん、日本原子力文化財団よりお借りしたものですが、1台13万円するそうです。ものは見かけによりません。)

物理室での測定結果はこちら
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さて、この量は多いでしょうか。少ないのでしょうか。
「科学的に判断する」ために、計算します。戸田先生曰く、「計算は後で見返せるように、広い空間に、しっかりと単位までつけてかく。端っこにいい加減に書いたりしない。」

0.091(マイクロシーベルト毎時)×24(時間/日)×365(日/年)=797マイクロシーベルト毎年

つまり、0.797ミリシーベルト毎年です。

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100ミリシーベルトまでの線量であれば、一度に浴びても顕著な健康被害は認められないとされています。昨年に引き続き、安全な物理室です。…という計算で、科学的に判断できることが大切なのですね。

また、福島県では新聞に線量が掲載されており、線量の多い/少ないの感覚が浸透していることも紹介していただきました。(写真は、7月に福島を訪問した際に頂いた新聞です。)

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さらに、放射能の単位「ベクレル」についても詳しく説明していただきました。ベクレルとは、その物質の中で1秒間に何回放射性崩壊が起こるかを表す単位です。
震災がれきを受け入れるときに規準となった100ベクレル毎キログラムは人体の放射能とほぼ同等である、ということで、それを「多い」と拒否することは火葬を認めないことと同じという訳です。
科学的考察もなくただ危険とか、安全とか叫んではいけないというのが先生の意見です。

続いて、霧箱を作成しました。
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ちなみに、ドライアイスの破砕には、かき氷マシンを使うのが、戸田先生流です。
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塩ビパイプをこすり、ラップの上を這わせます。しばらくすると…
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(ちょっと写真ではわかりにくいですが…)α線が見えてきました。
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10秒に1回くらい、はっきりとした飛跡が見えます。日常的に自然放射線を浴びていることを改めて実感しました。

そして…

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今回も、先生が作られた戸田式霧箱を持参していただきました。

「すごい!」と声があがるくらい、はっきりと、たくさんの飛跡をみることができます。目に焼き付けることが出来たでしょうか。最高性能の霧箱です。

今年は課題研究で霧箱作成に挑戦するグループがありますが、「本物」を見た経験を活かして、是非試行錯誤を繰り返してほしいと願っています。

そのほかにも、たくさんの実験を披露していただきました。
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放射線の事だけでなく、強く生きようというメッセージが伝わってくる講義であったと感じます。
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あっという間の2時間でした。戸田先生、今年もありがとうございました。